■嚥下とは?
そもそも嚥下とはどういうものでしょうか?
嚥下とは、いわゆる飲み込みのことです。飲み物を飲む、⾷事を摂る、これらの動作にはいつも嚥下、飲み込みを伴います。あなたもあまり意識していないと思います。
唾液は1⽇1.5ℓ出ると⾔われています。その唾液も無意識のうちに嚥下、飲み込んでいるのです。飲み込みはじめてゴックンと飲み込み終わるまでの時間は約0.5秒、意識する暇もないくらい早いです。
この嚥下という動作を私たちは毎⽇無意識のうちに⾏っているのです。
それでは嚥下ができなくなるとどうなるのでしょうか?
いわゆる摂⾷嚥下障害ということになると思いますが、短期間であれば静脈内にて栄養補給が可能ですが、⻑期になると症例にもよりますが胃ろうという⽅法になることが多いようです。胃ろうになるとどうしても⽣活の質、いわゆるQOLが低下してしまいがちです。
⾷欲は⼈間の欲求のうちの⼀つですが、無くなる⼨前までその欲求はあると⾔われています。⼝から⾷物を摂ることができるのは本当にありがたいことなんです。
以上のことでも嚥下という動作は⽣命維持に⼤切なものだということがわかります。
■嚥下トレーニングについて
私⾃⾝⻭科医をしてはいますが、最近まで嚥下に関してあまり知ろうとは思っていませんでした。きっかけは割愛しますが、嚥下について知れば知るほど興味が出てきてついには嚥下トレーニング器具を⾃分で考案し、商品にまでしてしまいました。
商品名:温活キャンディ
トレーニング器具について知りたいと思われた⽅は、最後にお問い合わせ、質問フォームを設けましたのでそこからお願いします。
この嚥下トレーニング器具を使いトレーニングをしてみてこの数ヶ⽉体験、経験してきたことがありますので、それを綴ります。不快に思われる⽅もいらっしゃると思いますがご容赦ください。
嚥下トレーニングですがやはり簡単で、持ち運びもでき、いつでもどこでも⼿軽にできる、しかもながらトレーニングができるものがいいと思っています。
嚥下トレーニングを習慣化して⼼⾝ともに健康になれると私⾃⾝信じております。
■誤嚥性肺炎の予防
さて嚥下トレーニングを習慣化することで起こる可能性についてですが、まず⼀つは誤嚥性肺炎の予防です。
肺炎で⼊院される80歳以上の⽅の中で80%以上は誤嚥性肺炎で⼊院されると⾔われており、それだけ多くの⽅が誤嚥性肺炎を起こしているというのが現実です。
誤嚥とは簡単にいうと、⾷べ物や唾液などが誤って気管内に⼊ってしまうことを⾔い、誤嚥性肺炎とは誤嚥により発症する肺炎のことで飲み込みに関する機能が低下していると考えられます。
事故などにより機能低下する場合もありますが、やはり年齢を重ねると嚥下機能が低下してくるようです。
そこで嚥下トレーニングを習慣化することによって、少しでも年齢による機能低下を遅らせる、または改善することが⼤事になってきます。
■⾎流の改善
嚥下時に使う咽頭収縮筋は迷⾛神経に⽀配されています。迷⾛神経は⾃律神経の中の副交感神経です。⾃律神経は交感神経と副交感神経の2つがあり、簡単に⾔うと副交感神経はリラックスしている時の神経です。副交感神経が刺激されると⾎管内⽪から⼀酸化窒素が分泌され結果として⾎管が拡張します。⾎管が拡張されると⾎液の流れ⾎流は良くなります。次の項⽬にも関係しますが、⾎流が良くなると体温が上がります。
実際サーモグラフィーを使⽤して私⾃⾝、その他⼗数名にて確認しており、トレーニングを3分、5分していくと徐々に上昇するのが視覚的にも確認できました。体感としては顔が⽕照った感じがしてきて、それがしばらく続きます。
■低体温の改善
⾎流の改善により体温の上昇が認められるので低体温の⽅も改善する可能性があります。
低体温とは、体温が36度以下のことを指します。体温が35.5度になると⾃律神経の乱れ、アレルギー症状が現れると⾔われています。35度になるとがん細胞が増殖しやすくなるとも⾔われています。低体温の⽅は癌が多いとも⾔われています。
低体温になると⾎流が悪くなり、免疫機能︑内臓機能等に影響を及ぼし、⾃律神経のバランスが崩れ、呼吸、⾎液の循環消化などの働きの不調にもつながります。
嚥下トレーニングを習慣化することで改善の余地はありそうです。
■ダイエット効果
ダイエット効果は嚥下と全く関係ないと思われるかもしれませんがそうではありません。
実際私⾃⾝4ヶ⽉で8kg痩せました。⾷事特にお⽶⼤好き、お酒など制限なし、運動しない、ジムにも⾏かない私ですが、今は嚥下トレーニングをはじめて11ヶ⽉になりますが、10kg痩せておりリバウンドもありません。
当初は痩せようと思ってやっていたわけではありませんが、4ヶ⽉⽬に気付いたら8kg痩せていたのです。
私も不思議でしたが,ある書籍には体温が1度上がると代謝は12%以上上がるとありました。おそらく代謝が上がったんだと思います。
ダイエット効果にはまだ臨床試験等必要ですが,可能性はとてもあると思っています。
■リラックス効果
⾎流の改善の項でも述べましたが、嚥下トレーニングで副交感神経を刺激します。
副交感神経はリラックス時の⾃律神経ですのでこれは当然だと思います。
私⾃⾝脳波測定をしてみました。
脳波は睡眠状態に出るデルタ波、ウトウト状態のシータ波、リラックス状態のアルファ波、集中状態のベータ波があります。アルファ波はさらにアルファ1、2、3波と分かれ、リラックスと集中状態のバランスが取れているのがアルファ2波です。スポーツ選⼿は、このアルファ2波の状態をキープできるように訓練しているようです。
結果から申しますと、嚥下トレーニングをした後ではアルファ2波が嚥下トレーニングする前の2倍になっていました。誤解がないように⾔いますと、アルファ2波が出ている時間が2倍増えたということになります。
このことからもトレーニングをしている最中、トレーニング後もリラックス効果は期待できると思っています。
■認知症予防
認知症に関連する脳の部分は︑前頭葉と⾔われています。
前頭葉に刺激を与えて認知症予防をしようということですが、前頭葉を刺激するにはよく噛む、⻭がない⽅は⼊れ⻭を作ってできるだけ噛むようにしましょうと⾔われてきました。
噛む刺激も⼤事ですが、もう⼀つ表情筋を動かす刺激することでも脳の前頭葉は刺激できます。嚥下⾃体ではそこまで表情筋を刺激しないですが、私⾃⾝が考案した器具を使⽤すると⼝輪筋という表情筋を刺激できます。またほうれい線にもアプローチできます。これにより認知症予防も期待できると考えています。
■免疫⼒の改善
さて免疫⼒の改善ですが、これは臨床試験をするにはとてもハードルが⾼いものになります。
もともと私が器具を考案したのは、はじめはコロナ対策からでした。
その当時ワクチンはなく、治療法も確⽴されておらずコロナに対してはお⼿上げ状態でした。そこで頭をよぎったのは免疫⼒でした。
免疫⼒はどうしたら上がるのか。
私の中の答えは、体温を上げることというものでした。体温を上げると免疫⼒は上がる。体の⽩⾎球の活性化する温度が37度38度ということからもなんとなく想像できます。
嚥下トレーニングにその可能性があると、私⾃⾝信じています。
ただそれを証明するのは、先ほども述べましたがかなりハードルが⾼いです。
これは今後の課題ですが可能性はあると思っています。
■おわりに
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
⾃⾝の体験によるものもありますが、仮説的なものもありました。お許しください。
ただ嚥下はとても⾝近なものなのにあまり分かっていませんでした。
嚥下は⼤事です。それを再確認していただきたいです。
私の夢は、⽇本のみならず、全世界の⽅が嚥下トレーニングを習慣化し、⼼⾝ともに健康な⽣活を送ってもらいたいというものです。
まだまだ研究不⾜な⾯がありますが、必ず嚥下トレーニングの習慣化があなたの健康の⼀助になる⽇は来ると信じております。